シワは大きく分けて「表情ジワ」と「静的ジワ(たるみによるシワ)」に分類されます。
表情ジワは、笑ったり怒ったりといった日常的な表情の動きに伴って生じる一時的なシワが、
加齢や紫外線ダメージなどにより皮膚の弾力性が低下することで、定着してしまったものです。
代表的な部位は額・眉間・目尻・鼻根部などです。
一方で静的ジワは、肌のコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚がたるむことで発生します。
ほうれい線や口元のマリオネットラインが該当します。
表情ジワには「ボトックス注射」、静的ジワには「ヒアルロン酸注入」が適しているとされ、シワの種類を見極める診断力が重要です。
ボトックス注射は、ボツリヌス菌から抽出されるたんぱく質成分「ボツリヌストキシン」を用いた医療用注射です。
注入部位の神経伝達を一時的にブロックすることで、筋肉の動きを抑制します。
表情筋の過剰な動きを穏やかにすることで、シワの原因を根本から取り除き、シワができにくい状態を作ります。
使用する薬剤量はごく微量であり、医師が適切な筋肉層に注入することで、自然な表情を保ったまま若々しい印象に導きます。
特に日本では、厚生労働省が承認した「ボトックスビスタ」が2009年に登場して以来、安全性の高さが認知され、美容医療において広く使用されています。
ボトックス注射は、以下のような方に適しています。
こうした悩みは、加齢とともに増えていくものですが、
ボトックス注射によって日常生活に支障をきたすことなく、ナチュラルに改善できます。
ボトックスとヒアルロン酸は、どちらも注入系の美容医療ですが、その作用メカニズム・適応部位・持続期間は大きく異なります。
年齢 | ボトックス注射 | ヒアルロン酸注入 |
---|---|---|
対象 | 表情ジワ(額、眉間、目尻など) | たるみジワ(ほうれい線、マリオネットラインなど) |
作用機序 | 筋肉の収縮を抑える | ボリュームを補う |
効果の持続期間 | 約3~6ヶ月 | 約6~12ヶ月 |
ダウンタイム | ほぼなし | ほぼなし |
ボトックスとヒアルロン酸を組み合わせた「コンビネーション治療」も増えており、より自然で立体感のある若返り効果が期待されています。
美容目的のほか、医療用途でも適応範囲が広く、慢性片頭痛や眼瞼けいれん、脳卒中後の痙縮の緩和などに使用されています。
ボツリヌストキシンと聞くと「毒」というイメージを持たれる方もいますが、
医療で使用されるのは極めて精製された微量成分であり、安全性は確立されています。
実際、以下のような分野で広く使用されています。
これらの使用実績はFDA(アメリカ食品医薬品局)や日本の厚労省にも認可されており、
美容医療においても副作用の発現率は非常に低いと報告されています。
アメリカFDAおよび日本の厚労省で承認された唯一の正規ボトックス製剤。
製造・保管・輸送すべての過程において厳しい品質管理がなされており、
最も信頼性の高い製品として医師から支持されています。
韓国で広く使われているボツリヌストキシン製剤で、
効果や安全性においてボトックスビスタと比較される製品です。
厚労省の認可はありませんが、適応を見極めて使用することで、コストを抑えた施術も可能になります。
ボトックスの効果はおおよそ「3~6ヶ月間」持続します。
効果が切れる前に再施術を行うことで、表情筋のクセが緩和され、より長期間シワの定着を防ぐことができます。年に2~3回の定期的な施術が推奨されます。
当院では、注入量や部位を精密に設計し、経験豊富な医師が自然な表情を保ちながら治療することを重視しています。
多汗症は、交感神経の過剰な興奮によって発汗量が異常に増える状態で、特にワキ、手のひら、足裏などに多く見られます。
日常生活に支障をきたすこともあり、悩まれている方は非常に多いです。
ボトックス注射は、エクリン汗腺に分布する神経伝達をブロックすることで、発汗自体を抑える効果があります。
効果は「約4~6ヶ月間」持続し、施術時間も短く、ダウンタイムもほとんどありません。
厚生労働省の統計によると、日本では成人の約5.5%が多汗症に悩んでおり、治療によりQOL(生活の質)が大きく改善することが報告されています。
ボトックス注射は、シワ改善を中心に、エラ張り・ガミースマイル・多汗症治療など多岐にわたる美容・医療効果を持つ施術です。
当院では、厚労省認可の正規製剤を使用し、経験豊富な医師が丁寧にカウンセリングと施術を行っています。
シワが気になる方、ナチュラルに若返りたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
(価格は税込です。保険適応外となります。)